暗号資産(仮想通貨)の利益には税金がかかります。2025年12月に公表された令和8年度(2026年度)税制改正大綱では、暗号資産を申告分離課税(税率約20%)へ移行する方針が示され、大きな注目を集めました。ただし、これは「方針が示された」段階で、すぐに適用されるわけではありません。本記事では、現時点(2026年6月)の課税ルールと、改正で何が変わる見込みかを、事実ベースで整理します。なお本記事は税務・投資の助言ではありません。
現在の課税:原則は「雑所得・総合課税」
2026年6月時点では、暗号資産で得た利益は原則として雑所得に区分され、給与など他の所得と合算する総合課税の対象です。所得が大きいほど税率が上がる累進課税で、所得税と住民税を合わせると最大で約55%に達します。利益が出たかどうかは、売却・他の通貨への交換・商品購入などのタイミングで計算されます。具体的な申告方法は、お住まいの地域の税務署や税理士など専門家に確認してください。
2026年度改正で示された方向性
大綱で示された主なポイントは次のとおりです(いずれも今後の法整備が前提)。
- 申告分離課税(税率約20%):所得税15%+住民税5%。給与所得などと分けて課税する方式。
- 損失の繰越控除(3年間):その年に控除しきれなかった損失を翌年以降に繰り越せる制度の創設。
- 対象範囲:「国民の資産形成に資する暗号資産」に限り、現物・デリバティブ取引に加え、暗号資産ETFから生じる所得も対象とする方向。
株式やFXなどと同じ「分離課税20%」に近づく内容で、これまで指摘されてきた「最高55%課税」の見直しにあたります。
いつから適用される?
適用開始は「金融商品取引法の改正法の施行日の属する年の翌年の1月1日以後」とされており、具体的な時期はまだ確定していません。前提となる法改正の進み方しだいで前後します。したがって、現時点ではこれまでどおり総合課税が適用されます。「もう20%になった」と早合点しないよう注意しましょう。
注意点:まだ検討段階の部分が多い
対象となる具体的な銘柄、ステーキングやレンディングなど報酬型取引の扱いなど、詳細は今後の制度設計で決まります。報道や解説には推測も含まれるため、最終的な取り扱いは国税庁・金融庁の公式情報や専門家の確認を基準にしてください。
税制と価格は別の話:リスク管理を忘れずに
税制が有利になる見込みでも、それは「儲かること」を意味しません。暗号資産は価格変動が非常に大きく、元本割れの可能性があります。本記事は情報提供であり、特定の暗号資産の購入を勧めるものではありません。投資は余裕資金の範囲で、最終的な判断はご自身の責任で行ってください。日々の値動きは当サイトの時価総額ランキングで確認できます。これから始める方は暗号資産の買い方もあわせてご覧ください。
よくある質問
Q1暗号資産の税金は2026年から20%になったのですか?
いいえ。20%の申告分離課税は2026年度税制改正大綱で示された「方針」で、適用は改正金融商品取引法の施行日の翌年1月1日以後とされ、時期は未確定です。2026年6月時点では従来どおり雑所得・総合課税(最大約55%)が適用されます。
Q2損失の繰越はできますか?
現行制度では雑所得のため繰越控除はできません。改正大綱では3年間の繰越控除制度の創設が示されていますが、これも今後の法整備が前提で、まだ適用されていません。
Q3確定申告は必要ですか?
給与所得者でも暗号資産などの利益が一定額を超える場合などは申告が必要になることがあります。要否や計算方法は個々の状況で異なるため、税務署や税理士などの専門家にご確認ください。本記事は税務助言ではありません。